ともに子育て「けんかは遊びの一種&心の栄養素」

子どものけんかには、友達とのけんかときょうだいけんかとがあります。特に三歳未満の子どもの場合にはお友達と一緒に遊ぶ楽しさを感じる心は未発達ですし、自分本位で自分の気に入った玩具などをめぐってけんかを始めます。三歳前後から四歳にかけては、自発性が順調に発達し情緒の安定している子どもには、お友達と遊びたいという欲求が芽生えてきます。子どもが三歳になったならば、お母さんは、お友達と遊ばせることを考える必要があります。近所に同じ年齢の子どもがいれば、そのお友達と一緒に遊ぶ場所を提供してあげればいいのです。お友達の家に行ったりきたりして、けんかしながらも楽しく遊ぶことが出来る様になれば社会性は順調に発達していると見てもよいでしょう。

子どものけんかは自己主張の衝突であり、自己主張は自発性の発達の現れですから、自発性の発達している子どもには必ず起きる現象とみてよいでしょう。子どもたちは仲良く遊んで楽しかったという経験とともに、けんかをして楽しくなかったという経験を積み重ねていくうちに、あれこれと考える力がついてきます。子どもの人格形成には、その力が必要なのです。ですからお母さんには、子どもたちの遊びを黙って見守ってあげていただきたいのです。

また親の過度な干渉は禁物ですが、どうにも見ていて喧嘩が収まりそうにないときもあるかと思います。そんなときはきちんと止めてあげるのも大切です。子どもが感情的になっているときこそ、親は冷静に、子どもの言い分を聞いてあげるようにしましょう。その際、兄弟のどちらかを一方的に叱ってしまうのは良くありません。兄弟を比べたり、子どもを突き放してしまうような叱り方も良くないでしょう。なぜ喧嘩してしまったのか、なにかいけなかったのか、をきちんと子ども自身が考えられるように手助けしてあげましょう。