ともに子育て『~ 過保護な親とわがままな子ども ~』

過剰なサービスを受けている子どもは依存的でわがままな子どもになりやすく、「思いやり」の心は発達しません。

そういう子どもは自分のほうから家族のことを考えてあれこれと行動することはなく、親たちが自分の要求することは何でも聞き入れてくれると思い込んでいます。そして自分の要求が聞き入れられないとなるとしつこく迫ったり、暴力を振るってでもその要求を通そうとします。

その要求は特に物質的・金銭的な面で現れます。その行動には親たちへの「思いやり」は少しもなく、お金やほしいものを手に入れるまで親たちを攻めるのです。
 
 親にしてみると、幼い頃からあんなにかわいがってあげたのに ― という気持ちが強いので、子どもから攻撃されることの意味がなかなか理解できないことが多いのです。

しかしそれは、子どもの可愛がり方に大きな誤りがあったのです。可愛がるというのは、子どもの要求、特に金銭的・物質的欲望をかなえてあげるということではありません。

欲望をかなえてあげますと、子どもはニコニコして「ありがとう」というでしょうが、そこには親子間の情緒的な結びつきは出来ません。このことはおじいちゃん・おばあちゃんとの関係についても同じことが言えるでしょう。

おじいちゃん・おばあちゃんのところに遊びに行くと、玩具やお金を与えてくれます。子どもは「ありがとう」と笑顔を見せますけれど、それはお金や物に対してお礼を言ってるに過ぎないのです。