ともに子育て「~子供からのシグナル~」

私達の心とからだのあいだに密接なかかわりがあることは、心配事があれば食欲が落ちるとか、楽しいことがあれば食欲が旺盛になるといった体験を通して、お母さんもよく実感されていると思います。この心とからだのバランスがくずれると、心身症といわれる様々な症状が出てくることになります。つまり心とからだとは車輪の両輪のようなもので、心が不安定になればからだもその影響を受けて不調となり、からだが病的な状態となれば必然的に心も不安定となります。このような心とからだの関係は、私達大人だけでなく、乳児期、学童期、思春期を問わず常に存在するものです。特に子どもの場合は、心の発達とからだの発育といった二つの発達・発育途上にあるだけに、そのバランスが少し狂っただけでもからだの症状として赤信号が出てくることになります。

さて子どもの心が順調に発達していく過程には母子関係に関わるものと、自分というものを打ち立てていく自我・自主性の発達に関わるものとがあります。母子関係に関わる発達の課題としては、母子相互作用といわれる赤ちゃんとお母さんとのかかわりあい、その結果育まれていく「人見知り」「お母さんの後追い」といったものが一つの目安になります。自我・自主性の発達に関わる発達の課題としては、「いたずら『探索行動』」、「第一反抗期(からだでの反抗)」、「口答え期(中間反抗期)」がその目安としてあげられます。

乳児期から幼児期にかけての母子関係と自主性の発達課題が順調に達成されていないと、子どもに何らかのストレスがかかった際にからだの症状を訴えることがありますが、その例をあげますと、乳児期に見られる代表的なからだの症状としては、夜泣きや浅眠、指しゃぶり、拒乳、発育障害が揚げられます。また幼児期から学童期に見られやすいからだの症状としては、頻尿、昼間のちびり、遺糞、少食・拒食、夜驚、不眠などがあげられます。子どもにこんな症状が見られたら、子どもの心の問題について考えてみましょう。

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