ともに子育て『子どもの登校拒否について 』

登校拒否には、大きく分けて二つの経過があります。一つは急性型で、思春期に
なるまでは「よい子」という評価が与えられ、学業成績もよい子どもです。

そのような子どもが、多くは中学生・高校生になって急に登校することを拒否し
始めるという例です。また大学生や大学院生、さらには就職してから似たような
状態になる社会人もいます。

中・高校生の親たちは、どうしてあの「よい子」が登校拒否になるのか初めは
検討がつかないようですが、生育史を詳しく調べれば、すでに幼少期にスタート
のあることが確認できます。

もう一つは慢性型で、それはすでに幼稚園の頃から登園を嫌ったり、小学校に
入っても通学に積極的ではなく、病後とか連休のあとに登校をしぶるという状態
が見られ、思春期になって決定的になったという子どもの例です。

また急性型では、命令的なしつけによる干渉に服従してきたことが原因で自発性
の発達が遅れてしまうのですが、慢性型では過保護のために自発性の発達が遅れ
てしまいます。さらには子どもの言いなりになって育てる溺愛が加わっている例
も少なくありません。

まず自発性の発達を促進するためには、すべての生活を子どもにまかせるように
することです。親からの一切の干渉と過保護を取り除き、子どもの「自由」にし
ます。そうなると子どもは全くの怠け者の状態になります。

それは過去の生活の中で、怠けることが許されなかった反動とも言えるでしょう。
しかし人間には必ず「自発性」が備わっていますので、やがて子どもにはこのよう
な生活を送っていてはダメになってしまうという自覚が生じます。

ただしその自覚が生じる期間には個人差がありますが、特に自発性の発達が著しく
抑圧を受けていた子どもほどその回復には長い期間を必要とします。

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